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田仲 恭子


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不正アクセス被害の実情 ~被害を受けないために~

2022-01-20
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不正アクセス被害の実情 ~被害を受けないために~
 
2007年… iPhoneの日本発売をいよいよ来年に控え、当時、インターネット界は急激な一般ユーザー増加とそれに伴う多彩なサービス展開に沸き、ITバブルという言葉が産まれた程の華やかな活気に包まれていました。
 
しかし、まさにこの年。日本でその名を知らぬ人はないほどの業界最大手大企業を舞台に、そんな良好な雰囲気に冷水を浴びせる恐ろしい事件が起きてしまったのです。
 
最大手企業が巻き込まれた大事件当時のインターネットインフラを一手に担っていたといっても過言ではない某企業。
この恐ろしい顧客情報大量流出事件は当にそうした企業を舞台に起こってしまいました。
 
この事件の特色は何といってもその「規模」。住所と氏名を紐づけた、大切な個人情報を流出させられてしまった顧客の人数は、なんと1万1千件にも上りました。
まさに桁違いの、気が遠くなるような大規模流出事件です。
 
そしてもう一つの特色は、この事件の犯人の出自。大変恐ろしいことですが、当時の報道によれば犯人は事件の舞台となった某大企業の元内部関係者だったのです。
データ管理などの業務を仕事として行っていた人物だったようです。
 
この卑劣な犯人は、おそらく過去の業務で知り得た何らかの知識と方法をもとに顧客の情報を盗み取り、更に恐るべき行動に出ます。
こうした犯罪を表に知られたくなければ金を出せ…と、企業恐喝という悪辣な手段で大金を得ようとしたのです。
 
しかしもちろんこのような恐喝に応じることなくこの企業は起きてしまった流出をマスコミなど通じて明らかにしたうえで顧客に謝罪。
アカウントを持つ全員に謝罪として500円の金券を配布したことでも話題となりました。
 
しかし、本来誰にも知られるはずのなかった自分の個人情報の流失に怒りを感じる人もいます。
この企業は慰謝料請求の民事裁判を起こされ、裁判所に慰謝料と裁判費用の支払いが命じられています。
慰謝料の支払いと、金銭的な賠償は当然ですが、それ以上にこの事件によって企業が被った損害は決して金銭で回復できるようなものではないでしょう。
 
謝罪、賠償では決して終わらない重大な損失です。
こうした事件は、人を雇用し、人の個人情報を取り扱うすべての企業で起こり得ます。
また、起きてしまったあとでは決して取り返しがつくものでは全くないという部分も共通して言えるでしょう。
 
「未然に防ぐ」その対策への重要性を理解していかなくてはいけません。

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